子どもに注意をするとき、つい「ダメ!」と否定語を使っていませんか?
わたしも保育園勤務を始めたばかりの頃は、ついとっさに「ダメだよ!」と言っていました。
あれもダメ、これもダメと言われるとどうでしょうか?
大人でも嫌な気持ちになってしまいますよね。
でもダメなものは駄目だと教えなければならない……じゃあどうすればよいのか?
答えは”否定語ではない言葉で具体的に伝える”です。
では実際どのように伝えたらよいのか?
現役保育園看護師のわたしが、保育園での経験を交えて詳しく解説していきます!
上記を知ることで今後の育児や仕事に活かすことができ、子どもの自己肯定感の向上につながりますよ♪
子どもの上手な叱り方4つのコツ
以下の4つのポイントに分けてお話しします♪
では、上記について具体的に解説していきます!
否定語ではなく、子どもにどうして欲しいのか具体的に伝えよう
「ダメでしょ!」と否定語で叱るのではなく、”こうしてほしい”ということを具体的に伝えましょう。
そして、それをするとどうなってしまうのか(危険性)も添えてあげるとより良いです。
例えば1・2歳クラスの子どもは、楽しくなってテンションが上がると部屋の中を走ってしまうことが日常茶飯事……。
このように、子どもが部屋の中を走って危ない時は
「走っちゃだめだよ」→「走るとお友達にぶつかっちゃうよ?ゆっくり歩こうね」
などと伝えています。
1回では伝わらないことも多いですが、そこは根気よく伝え続けます。
窓をおもちゃでガンガン叩いているときは
「何やってるの!だめでしょ!」→「窓が割れちゃうと危ないよ。これはね、こうやって遊ぶんだよ(実際におもちゃの使い方を見せる)。」
このように、否定するのではなく、危ない場合はその理由を伝えたり、実際にどうしてほしいのかを具体的に伝えます。
もちろん子どもなので、同じことを何回もしたりするでしょう。
そこは大人が根気よく繰り返し伝えてあげましょう。
声のボリュームは普段の会話と同じ大きさで
子どもを叱るとき、否定語を用いると自然と声のボリュームも大きくなってしまいます。
否定語を使うこと自体もそうですが、声のボリュームがあまりにも大きいと”注意”ではなく、感情的に”怒る”になりがちで、子どもにとって心理的負担になるおそれがあります。
そもそも乳幼児の子どもの場合、悪気があってやっているわけではなく、好奇心で「こうするとどうなるのかな?」と思ってやっていることも多いです。
それなのに大きな声で「ダメ!」と言われたら、なんで怒っているのかわからないし、混乱してしまいますよね。
危ない理由や実際にどうしてほしいのか伝えるときは、普段の会話と同じ大きさで伝えましょう。
子どもの傍で目線を合わせて
叱る・注意をするときは、遠くから大きな声で言うのではなく、子どもの傍で目線を合わせて伝えましょう。
遠くから言われたり、何かをやりながら目線を合わせずに注意をされても子どもには上手く伝わりません。
”あなたのことを想って伝えている”ということが伝わるように、子どもと目を合わせて話すようにしましょう。
保育園で働いていると、子どもって本当によく大人を見ているなぁと感じます。
”話すときは人の目を見て話しましょう”と教えることにも繋がりますし、子どもとの信頼関係を築くためにも、この姿勢はとっても大切です!
威圧感はいらない、でも退かない姿勢は大事
子どもに対して立ったまま、上からの目線で大きな声で怒鳴ったりしても、余計に子どもに伝えたいことが伝わらなくなるだけです。
さらに、自己肯定感の低下にも繋がってしまいます。
そのため、子どもに注意をする際に威圧的な態度はいりません。
しかし、”危ないこと、いけないことはしっかり伝える”という退かない姿勢は大切です。
子どもの叱り方って本当に難しい……。
でも、一番大切なのは”あなたのことを想って伝えている”ということを言葉や表情、態度で示すことではないでしょうか?
わたしはそれを大切にしています!
なぜ否定語を使わない方がいいの?
では、なぜ否定語を使わない方がよいのでしょうか?
例えば、あなたが職場で「それはだめだよ。」「そうじゃないでしょ!」
と否定語ばかりで具体的なアドバイスなしに注意されたらどう感じますか?
「なんだよもう……じゃあどうしたらいいのさ!」と内心ちょっとイラっとしませんか?
子どもも同じで、「触っちゃダメだよ!」「走っちゃだめダメだよ!」
このような否定語ばかりで注意をされたら、嫌な気持ちになってしまったり、逆に怒って乱暴にものを扱ったり……素直に聞いてくれなくなってしまいます。
上記のような言葉だけではどうしてだめなのか、どうしたらいいのかも伝わりません。
また、子どもに対して日常的に否定語ばかり使っていると、以下のような弊害が生じると言われています。
日常的に否定的な言い方で叱られることが多いと、子どもにとって非常に大きな弊害が生じてきます。その弊害はざっと数えても10種類はあります。中でも一番問題なのは、子どもが自分に自信を持てなくなることです。言い換えると自己肯定感が持てなくなるということです。
否定語で叱り続けると、子どもは自己肯定感が持てなくなる|学研グループ ママノートhttps://mamanote.jp/news/6957
自己肯定感とは、以下のようなものです。
自己肯定感(じここうていかん)とは、自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉
Wikipedia|自己肯定感
自己肯定感は、子どもが自らいろいろなことにチャレンジをしながらのびのびと成長するために必要不可欠ですし、大人になっても良好な人間関係を築いたり、社会生活を送る上で重要なものです。
道路に飛び出して危険だったから等、緊急事態時にとっさに「ダメ!」と言う分にはもちろん問題ありませんが、日頃から否定語を多く使うことは、子どもの健やかな成長発達においてマイナスに働いてしまう恐れがあるのです。
まとめ:完璧でなくてOK!子どもを叱るときは、意識して否定語を減らしてみよう!
今回は子どもの上手な叱り方についてお話ししました。
それではポイントをおさらいしましょう!
叱り方って本当に難しいですよね。
あの時〇〇って言ってしまったけど、あれでよかったのかなぁとか、わたしも日常茶飯事です。
完璧でなくても全然OKなんです!
まず否定語は減らしたほうがいいということを知っているだけで全然違います。
日常的に否定語を使っていた場合は、少し減らしていけるように意識してみましょう!
わたしもまだまだ上手く伝えられないことが多いので、日々意識していきたいと思います!