小児科看護師のお仕事ってどんな感じなんだろう?
小児科看護師の仕事内容の特徴は、勤めている病院や病棟によって大きく異なりますよ!
そこで、今回は小児科看護師の仕事内容を
- こども専門の総合病院
- 総合病院の小児科
- 小児科クリニック
の3パターンに分けてご紹介します。
こども専門病院の循環器・心臓外科病棟に勤めた経験談もご紹介♪リアルな仕事内容を知ることができますよ!
ちなみにこの記事を書いているayarinaはこんな人♪
この記事を読むと、上記に挙げた3パターン別の小児科看護師の仕事内容の特徴と実際に勤めた経験談を知ることが出来、あなたが今後お仕事を探す際に役立てることができるかもしれません。
小児科看護師に興味のある方は、ぜひ読んでみてくださいね♪
小児科看護師の仕事内容を3パターン別にご紹介
ひとくちに”小児科看護師”といっても、その仕事内容はこども専門の病院なのか総合病院の小児科なのか、それとも小児科クリニックなのかで特徴が大きく異なってきます。
今回は3パターンに分けてご紹介するので、どの職場が”自分が目指す小児科看護師”になれそうか検討してみてくださいね!
こども専門の総合病院
こども専門の総合病院の仕事内容は、どの病棟に勤務するかで大きく異なります。
例えば、わたしが勤めていた病院では以下のような配属先がありました。
上記のように様々な配属先があるため、細かな仕事内容を全てご紹介することはできませんが、仕事内容を大まかに分けると以下のようになります。
手術室、産科病棟は他の病棟と仕事内容がかなり異なるので、今回はそれ以外の病棟について共通する仕事内容をご紹介しますね。
- 患児の医療ケア
- 患児の発達・心に関するケア
- 哺乳、沐浴、おむつ交換、寝かしつけ等の育児行為
- 家族に対するケア
上記にプラスして、成人の病院と同じように委員会の仕事やプリセプターの仕事などが加わります。
患児の医療ケア
ケア内容は病棟により様々。
病院や病棟によっては採血やルート確保を看護師が行う場合もありますが、看護師は介助のみで医師が行う場合もあります。
わたしが勤めていた病院では、外来や外科、産科病棟以外の病棟は基本的に医師が採血やルート確保を行っていました。
医師が採血やルート確保を行う場合、看護師は処置の介助はもちろん、医師が処置をしやすいように患児の動きを抑制する必要があります。
子どもは想像以上の力があるので、これが意外と大変!
「採血は抑える人の腕にかかってるよ!」と言われるくらい大事!関節を抑えたりおくるみをしたりします。
こども専門の総合病院の場合、重症度が高く高度な医療を提供している施設が多いですが、研修制度がしっかりしている病院が多いため、入職後に勉強と実践を繰り返せば医療行為に関してはそれほど心配はいらないかと思います。
患児の発達・心に関するケア
大人と大きく異なる点のひとつとして、”成長発達過程にある”ということが挙げられます。
そのため、月齢・年齢に合わせた発達に関する看護計画の実施と評価が必須!
ただ、実際どこまで介入できていたか考えると、どうしても医療ケアや業務に追われてしまって……難しさを感じていましたね。
そんな中でも発達に合ったおもちゃを選んだり、寝る前に絵本を読んだり、時間を見つけて遊びの提供を行っていました。
中には”ホスピタル・プレイ・スペシャリスト(HPS)”の資格を取って、子どもたちにとって身体的・心理的発達に欠かせない”遊び”について提案、実施している看護師もいました!
また、家族と離れて過ごすことや治療や検査への恐怖心など、子どもたちはたくさんの我慢や不安、恐怖心と戦っているため、心理的なケアも重要です。
看護師が愛情をもって関わること、子どもの気持ちを考えて寄り添うことが大切だと思っています。
”チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)”がいて、子どもたちやご家族の心理的支援をしてくれる病院もあります。
病院に保育士さんが常駐していてプレイルームで保育をしてくれたり、病室に出向いて介入してくれることも多いです。子どもにとっての遊びの大切さは保育園看護師になってさらに実感しています。
哺乳、沐浴、おむつ交換、寝かしつけ等の育児行為
こども専門の総合病院の場合、新生児から20歳を超えた方まで年齢は様々ですが、生活に必要な行為に関して自立していない子ども(新生児や乳幼児)が大半を占めます。
新生児の場合は哺乳や沐浴、臍ケアなどが必要ですし、乳幼児に関しても食事介助や入浴介助、おむつ交換や寝かしつけなどの育児行為が必要です。
泣いて泣いて大変なこともあるけれど、哺乳や寝かしつけなど育児行為をおこなっている時間が癒しになることも多々ありました!
沐浴はご家族がお子様と触れ合える貴重な時間でもあるため、状況や病棟によってはご家族と一緒に行う場合もありますよ。
家族に対するケア
ご家族に対するケアも小児看護師にとって大切な仕事のひとつ。
こども専門の総合病院では入退院を何度も繰り返していたり、生まれてからずっと病院で過ごしている子どもも多くいます。
ご家族は、入院している子どもに対する不安や心配はもちろんのこと、兄弟のことや家庭内での意見の不一致など様々な不安や心配、ストレスを抱えています。
遠方から母親のみホテルに宿泊していて、近くに頼れる人がいないという方も。
ご家族にとって看護師の存在はとても大きく、その言葉ひとつで救われることもあれば傷つくこともあるのです。
ご家族が今抱えている不安や心配事を「看護師さんになら話そうかな、相談しようかな」、そう思っていただけるよう、普段からコミュニケーションを密にとるよう意識していました。
また、在宅医療が必要な子どもたちも多く、ご家族へ退院前に経管栄養や在宅呼吸器などの指導をすることもあります。
総合病院の小児科
総合病院の小児科の場合は、こども専門の総合病院と違って”小児科”という大きなくくりであるため、様々な疾患の子どもが入院しています。
そのため、内科系の疾患から外科系の疾患まで幅広い知識が必要になります。
仕事内容は「こども専門の総合病院」でご紹介したものと大きく変わりはないですが、覚える技術や疾患の種類が多いのが特徴です。
ただし、こども専門の総合病院と比べると重症度は総合病院の小児科の方がやや下がる傾向にあるでしょう。
また、ご家族の付き添いが必要な病院も多いです。
小児科クリニック
小児科クリニックの場合は、入院がないので哺乳や寝かしつけなどの育児行為を行うことはありません。
総合病院のようにスタッフがたくさんいるわけではないので、掃除などクリニックならではの仕事もあります。
入院施設がある病院に比べると高度な医療行為はほとんどないですが、こども専門の総合病院では行わないことが多い採血に関しては、クリニックの場合看護師が行うことが多いです。
採血経験がないわたしにとってはややハードルが高い(泣)
小児科看護師としてこども専門病院の循環器・心臓外科病棟で働いた時の仕事内容
ここからは小児科看護師として、こども専門の総合病院の循環器・心臓外科病棟で働いていた際、実際にどのような仕事をしていたのかご紹介していきます。
病院や病棟によってそれぞれなので、あくまで一例としてご覧ください。
1日のスケジュールはこんな感じでした!
- 8:00~情報収集、一日の流れ・優先順位を考える
- 8:30~全体の申し送り、各自の申し送り
- 日勤帯で使用する内服薬を準備しダブルチェック
- バイタル測定、傷処置の介助
- 沐浴、清拭、シーツ交換、褥瘡処置、ネブライザー、鼻口腔・気管内吸引、浣腸など
場合によっては病棟内や院内の散歩、遊びの提供
- 10:00内服薬の投与、哺乳または経管栄養・胃ろうによる投与
- 点滴の作成や午後に行う処置の準備など
- 11:00~休憩
- 12:00~バイタル測定、点滴作成・交換、ネブライザー、鼻口腔・気管内吸引、面会に来たご家族へ夜間・今日の患児の様子を伝えるなど
- 13:00~おむつ交換後内服薬投与、哺乳または経管栄養・胃ろうによる投与
- 点滴作成、点滴交換、抗生剤等の薬剤投与など
検査やリハビリが入ったり、保育士さんが介入して遊びを提供してくれたりする
- 16:00~バイタル測定、おむつ交換や吸引後内服薬投与、哺乳または経管栄養・胃ろうによる投与
*隙間時間で記録を進める
- 16:30~申し送り、記録、看護計画の評価
- 17:30以降業務終了
上記のスケジュールは落ち着いている日のスケジュールですが、手術後の患者さんの受け入れ対応があったり、突然の検査や急変があったりと毎日バタバタ。
手術後の患者さんを受け入れている病棟だったので、ECMOや血液透析、開胸中の看護、挿管中の看護と人工呼吸器の管理、オペ前・直後の看護等も行っていました。
ちなみに小児の点滴管理は主にシリンジポンプを使用します。
そのため点滴を作る際は細かな計算が必要なこと、オペ直後や重症度の高い場合は10個以上シリンジポンプが並ぶことも少なくないため、点滴管理だけでもかなり大変でした。
重症の患者さんの場合は点滴作り、交換作業だけでもかなり時間がかかるので、フリーの看護師が点滴作成を手伝ってくれることもありました。
この他点滴チェックやINOUTチェック、オペ前後のICの付き添いと記録、転棟対応など様々な仕事があります。
夜勤の場合は寝かしつけも大切な仕事のひとつ。
子どもの心拍数に合わせて、泣いていたり興奮しているときは速めのトントン、その後心拍数の低下とともにゆっくりトントンするといいと先輩から聞き保育園勤務の今でも実践しています♪
本人の希望で入眠前に絵本を読んであげることもありました。
大きな病院の場合、事例検討や看護研究、委員会の仕事なども加わり、深夜明けにこれらの作業をしたり、家で作業をすることも多かったですね。
大変だったけど、新卒からこども専門の病院で学べたことは、わたしにとってプラスの経験だったなと思っています。
まとめ:小児科看護師の仕事内容は多岐に渡る!やりがいのある仕事
小児科看護師の仕事内容は、医療ケアから発達・心に関するケア、育児行為、家族に対するケアまで多岐に渡ります。
もちろん大変なこともありますが、子ども好きの看護師にとって、とてもやりがいのあるお仕事です。
勤め先がこども専門の総合病院なのか、総合病院の小児科か、小児科クリニックなのかによっても仕事内容は異なるため、自分に合った看護ができる職場はどこなのか、ぜひ検討してみてくださいね♪
小児科勤務の他にも看護の資格を活かした子どもに関わる仕事が知りたいという方は以下の記事がおすすめです!